2026年までに日本からヨーロッパに旅行の際の手続きが大きく変わることになります。これまでヨーロッパに短期で旅行する場合、必要なものはパスポートでした。しかしこれからは手続きが変わり、必要なものが増えるのです。
なぜなら、2025年から「EES」と、2026年からは「ETIAS」が導入されるからです。新しく導入されるだけでなく、似た名前であるため、これらを混同してしまうかもしれません。
特にETIASは「出発前の事前申請」が必須であるため、当日空港で気づいたとしても、飛行機に搭乗することができません。このようにヨーロッパへの渡航に大きな影響を与えるため、「EES」と「ETIAS」が何か理解しておく必要があります。こちらの記事では、「EES」と「ETIAS」について何か、そして2つの違いを説明します。
EES(出入域システム)とは何か
- 役割: パスポートのスタンプに代わるデジタル管理システム
- 事前手続きの有無: 無し
- 導入時期:2025年末から
EES(Entry/Exit System)は、シェンゲン協定に加盟するヨーロッパ諸国への出入国をデジタルで管理する新しいシステムです。2025年末から段階的に導入され、2026年には全ての対象国で完全運用が始まっています。
EESは、これまでのパスポートへのスタンプに代わるものです。今後は入出国の正確な日時がデジタル記録されるため、滞在期間の超過(オーバーステイ)や入国拒否の情報が即座に判明するようになります。旅行者は到着した空港の専用端末で顔写真や指紋を登録することになりますが、事前の申請などは不要です。

ETIAS(エティアス)とは何か
- 役割: ビザなし渡航者に義務付けられる「渡航認証」
- 事前手続きの有無: 有り、出発前にオンラインで申請
- 導入時期:2026年末から
ETIAS(European Travel Information and Authorisation System)は、ヨーロッパ渡航前に必ず登録が必要な「事前渡航認証」です。2026年10月から12月にかけて運用が開始されて、義務化される予定となっています。
申請はオンラインで行い、氏名、生年月日、国籍、住所、過去の犯罪歴の有無などを回答します。一般的に認証結果は4日以内に通知されますが、追加の書類が必要な場合は最終判断まで最大30日かかることもあります。そのため、渡航の30日以上前には余裕を持って申請しておく必要があります。
ETIASで特に注意すべき5つのポイント
- 申請料金
- 事前申請
- 有効期間
- 偽装サイトの存在
- EESとの混同
申請料金
ETIASの申請には20ユーロの申請料金が必要です。当初は7ユーロと発表されていましたが、最新の規定では20ユーロ(18歳未満と70歳以上は無料)に設定されています。
事前申請
ETIASの承認がなければ、シェンゲン圏内に飛ぶ飛行機に乗ることができません。また申請は追加書類が必要な場合、最大で30日ほど承認に時間がかかることもあります。旅行が決まったらすぐに、遅くとも1ヶ月前には申請を済ませましょう。
有効期間
ETIASは取得すれば、パスポートの有効期限内であれば最大3年間有効となっています。有効期間は3年であるため、3年以上前に取得した場合、再びETIASを取得する必要があります。
偽装サイトの存在
公式サイトに似せた仲介業者のページがあり、利用者を勘違いさせる場合があります。仲介業者のページでは高額な手数料を請求されるケースが考えられるため、必ず欧州連合(EU)の公式ドメイン(.europa.eu)の公式サイトから申請してください。
EESとの混同
EESと混同 して、空港で登録すれば大丈夫とETIASの事前申請を忘れてしまう可能性があります。EESとETIASは異なり、ETIASには事前申請が必要であることを覚えておきましょう。

ETIASとEESが導入される国(対象国)
ヨーロッパ圏の加盟国/ETIAS導入国
これらの新しいシステムは、すべてのヨーロッパ諸国で導入されるわけではありません。対象となるのは、「シェンゲン協定」を結んでいる下記の国々です。
| 加盟国 | オー ストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、 スイス、ブルガリア、ルーマニア |
| 非加盟国で、ETIAS導入 | キプロス |
ヨーロッパ圏の非加盟国/ETIAS非導入国
| ヨーロッパ圏の非加盟国 | イギリス、セルビア、アルバニア、モンテネグロ、北マケドニア、コソボ |
- イギリスではETIASではなく、独自の渡航認証ETAを導入しています。そのためETAの申請を行う必要があります。
世界の渡航認証システム導入国
なおヨーロッパ圏以外では、下記の国々が独自の渡航認証システムを導入しています。そのため渡航前に、認証を取得する必要があります。
| 国名 | システム名 |
|---|---|
| アメリカ | ESTA(エスタ) |
| カナダ | eTA(イーティーエー) |
| オーストラリア | ETA(イーティーエー) |
| 韓国 | K-ETA(ケーエタ) |
今後のヨーロッパ旅行に必要な準備リスト
以前はパスポートだけで十分だったヨーロッパ旅行(シェンゲン圏内)も、今後はパスポートだけでなくETIASが必須となります。
- 有効なパスポート: 残存期間が十分にあるもの。
- ETIASの事前承認(2026年〜): これがないと出発できません。必ず事前に渡航認証を取得してください。
新しいシステムが導入されることになるため、今後必ず変更があると思います。常に渡航先の大使館の情報や、駐日欧州連合の公式ページを訪れて、最新情報を確認するようにしてください。そして、確実に旅行先のの国に渡航できるように準備しましょう。
